ネガポジ運用とは何か 需給調整市場での意味と参入の仕組みを整理する
ネガポジ運用とは、需要を減らす「ネガワット」と発電・放電で電気を出す「ポジワット」の双方を、同一のリソースで供出する運用形態を指します。系統用蓄電池や揚水発電機のように上下どちらの調整もできる設備を、需給調整市場でその能力どおりに扱うために整理された考え方です。
Policy Intelligence Library
蓄電池、FIP、容量市場、GX、系統混雑。「誰の、どの判断に効くのか」まで整理したナレッジです。
ネガポジ運用とは、需要を減らす「ネガワット」と発電・放電で電気を出す「ポジワット」の双方を、同一のリソースで供出する運用形態を指します。系統用蓄電池や揚水発電機のように上下どちらの調整もできる設備を、需給調整市場でその能力どおりに扱うために整理された考え方です。
DR(デマンドレスポンス)は、電力の使い方を需要側で増減させ、電力システム全体の需給バランス調整に役立てる仕組みです。制度上は節電した電力量(ネガワット)が発電電力量と同様に扱われ、特定卸供給として位置づけられています。
アグリゲーターは、家庭や工場に置かれた蓄電池・EV充電器・自家発電設備などの小さな電力設備(分散型エネルギーリソース)を束ね、まとまった電力の価値として小売電気事業者や一般送配電事業者へ提供する事業者です。1台では小さすぎて市場に出せない設備を集約し、電力の需給調整に使えるようにする役割を担います。
2026年3月14日受渡分から、需給調整市場は全商品が前日取引化され、入札単位時間が30分に移行した(開始済み)。同じ2026年度には、低圧リソースの市場参入と機器個別計測の制度も立ち上がる。参入の間口が広がる一方で、複合商品の約定単価は前日化直後に半減しており、「参入できること」と「稼げること」が別問題になりつつある。
デマンドレスポンス(DR)をめぐる制度設計は、この2〜3年で「市場に参加できるかどうか」から「どの計測点で、どの粒度で調整力を評価するか」へと論点が移っている。2026年度は低圧リソースの需給調整市場参入と機器個別計測の開始が予定された年度であり、同時にインバランス料金のC値・D値見直しが効き始める年度でもある。本稿は、この転換が事業者の投資判断にどう効くかを整理する。
日本の電力需要は全国合計では年0.4%程度の緩やかな増加見通しにとどまる一方で、特定エリア・特定地点では接続そのものが成立しない状況が生じている。審議会の議論の重心は「増える需要に系統を合わせる」から「系統の制約に需要の立地を合わせる」方向へ動きつつあり、これは立地選定とスケジュール前提の置き方を根本から変える論点である。